設立趣意

 当法人では、広く社会に貢献できる人材の育成を目指すとともに、治水および農林業に関する諸活動を通じて地域社会や国土保全に貢献していきたいと考えています。

 そもそも我が国は技術力により大きく発展した国家であり、その発展を支えたのが専門知識を備えた優秀な学者や技術者たちでした。彼らに続く存在である大学院生等が勉学に励める環境を整えることは非常に重要なことだと考えています。昨今の経済情勢のもとで成績優秀ながらも経済的事由により学業を続けることが困難な学生もおり、そのような学生を経済的に支援するため給付型奨学金事業を展開することといたしました。

鴻池忠治郎

 本財団の出資者は淀川水系の治水に尽力した鴻池忠治郎を祖としています。その流れを汲み、治水や水力の利用によって現代における環境分野の諸課題に取り組んでいきたいと考えています。健全な治水には源たる山林の保護が必要不可欠であり流域における自然摂理に適った農業が求められることから、農林業分野にも関心を寄せています。従事者の高齢化等による山林の荒廃や田畑の減少がより深刻になってきている状況から、農林業や治水に対する若い世代の興味関心を高める必要性も感じています。そこで、実践の場を設けて学生等に農林業に触れる機会を提供して参りたいと思います。

 以上の考えのもとで必要な事業を行うことにより当法人の目的を実現するため、一般財団法人MARUKITA財団を設立することといたしました。

2023年11月吉日 発起人一同